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Takayuki KOBAYASHI

開発スピードを落とさずセキュリティを強化する、DevSecOps 導入支援

セキュリティ対策の遅れや脆弱性の検知不足、属人的な運用に悩む大手電機メーカー様に対し、シフトレフトの徹底と CI/CD へのセキュリティ統合、ガイドライン整備を通じて DevSecOps 導入を支援した事例をご紹介します。開発スピードを維持したままセキュリティレベルを向上させた取り組みを解説します。

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✍️ はじめに

「セキュリティは大事だと分かっている。でも、それを理由にリリースが遅れるのは避けたい」——大手電機メーカー様から、そんな相談をいただいたのは、DevSecOps 導入プロジェクトのキックオフでした。

開発スピードとセキュリティは、しばしばトレードオフの関係にあると言われます。しかし本来、この二つは対立するものではありません。開発プロセスの早い段階から、仕組みとしてセキュリティを組み込むこと。これができれば、リリースを遅らせることなく、むしろ手戻りを減らしながら安全性を高めることができます。

本記事では、実際にご支援させていただいた内容をもとに、DevSecOps 導入の考え方と進め方、得られた成果をわかりやすくご紹介します。

🔍 導入前の課題

プロジェクト開始前、お客様の開発現場には次のような課題がありました。

  • セキュリティ対策の遅れ
    セキュリティチェックがリリース直前の工程に集中しており、脆弱性が見つかっても修正の時間が十分に取れない。結果として、リリース延期や場当たり的な対応が発生していました。

  • 脆弱性の検知不足
    手動でのチェックに依存しており、見落としが生じやすい状態でした。OSS の依存関係や既知の脆弱性に対する継続的な監視も不十分でした。

  • 属人的なセキュリティ運用
    特定の担当者の経験と知識に頼っており、担当者が不在になるとチェックが滞る。ナレッジが個人に閉じており、組織としてセキュリティを維持する体制が整っていませんでした。

  • 開発チームとセキュリティチームの分断
    セキュリティは「止める側」、開発は「進める側」という認識があり、両者の連携が十分ではありませんでした。

🧭 DevSecOps とは

DevSecOpsは、Development(開発)、Security(セキュリティ)、Operations(運用)を一体として捉える考え方です。従来のように、開発の最後にセキュリティをチェックするのではなく、要件定義・設計・実装・テスト・運用のすべての工程に、セキュリティを当たり前の一部として組み込みます。

「セキュリティは専門チームが担当するもの」から「開発に関わる全員が責任を持つもの」へ。この意識の転換が DevSecOps の核心です。

代表的な取り組みとして、次のようなものがあります。

取り組み 概要
シフトレフト セキュリティ検討を開発の上流工程(左側)に移す
CI/CD へのセキュリティ統合 パイプラインに自動チェックを組み込む
IaC セキュリティスキャン インフラ定義の脆弱性設定を自動検知
依存関係の監視 OSSの既知脆弱性を継続的に監視
ガイドライン整備 組織としてのルールとナレッジを標準化

🛠️ ご支援の内容

私たちは、次のステップで DevSecOps 導入を支援しました。

1. 現状の棚卸しと課題の可視化

まず、既存の開発プロセスとセキュリティ体制を調査し、どこにリスクと非効率があるのかを可視化しました。ツールの導入ありきではなく、お客様の開発文化や体制に合った現実的な計画を策定することが重要です。

2. シフトレフトの徹底

要件定義や設計の段階で、脅威モデリングやセキュリティ要件の確認を行う仕組みを導入しました。上流で問題を捉えることで、後工程での大きな手戻りを防ぎます。

3. CI/CDパイプラインへのセキュリティ統合

ビルド・テストの流れに、以下の自動チェックを組み込みました。

  • ソースコードの静的解析(SAST)
  • 依存ライブラリの脆弱性スキャン
  • IaC(Infrastructure as Code)の設定チェック
  • コンテナイメージのスキャン

これにより、開発者がコードをプッシュするたびに、自動でセキュリティが検証される状態を実現しました。

4. ガイドラインの整備と内製化支援

属人的な運用を解消するため、セキュリティチェックの基準や手順をガイドラインとして文書化しました。あわせて、開発チームが自ら運用できるよう、トレーニングとナレッジ共有の場を設けました。

📈 得られた成果

導入後、次のような成果を確認できました。

  • ✅ 開発スピードを維持したまま、セキュリティレベルを向上
    自動チェックにより、セキュリティ確認の待ち時間が減少。リリースサイクルを落とすことなく、安全性を高められました。

  • ✅ 脆弱性の早期発見
    上流工程とパイプラインで自動的に検知されるようになり、手戻りコストが大幅に削減されました。

  • ✅ 属人性の解消
    ガイドラインと自動化により、担当者に依存しない運用体制を構築できました。

  • ✅ チーム間の連携強化
    セキュリティが「止める側」ではなく「支える側」として認識され、開発とセキュリティの協働が進みました。

💡 導入を成功させるポイント

DevSecOps を定着させるうえで、私たちが特に重要だと考えるポイントは次の3つです。

  1. ツールより先にプロセスと文化を考える
    ツールは手段です。まず「誰が」「いつ」「何を」確認するのかを整理しましょう。

  2. 小さく始めて継続的に改善する
    一度にすべてを変えるのではなく、効果の高いチェックから段階的に導入します。

  3. 開発者にとって「負担」ではなく「支援」にする
    自動化によって、開発者がセキュリティを意識せずとも守られる仕組みを目指します。

🤝 おわりに

セキュリティと開発スピードの両立は、決して特別なことではありません。適切なプロセスと自動化、そして組織としての標準化があれば、無理なく実現できます。

PLAY TECHNOLOGY では、DevSecOps の導入支援をはじめ、セキュリティガイドライン対応、クラウドを活用した開発体制の構築など、企業のお客様の課題に合わせたご支援を行っています。「どこから手をつければよいか分からない」という段階でも構いません。まずはお気軽にご相談ください。